ECALS辞書
近年、半導体・電子部品の技術情報標準化とその標準に従った電子化及び企業間の交換・共有が、新部品の発掘、開発・設計業務等多角的な応用のため、強く要請されてきた。
ECALS辞書は、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA) ECセンター 技術標準専門委員会により保守管理運用が進められているコンピュータ可読な電子部品の標準辞書。EIA(米国電子工業会)のCALS(Commerce At Light Speed)がベースになっている。2018年3月現在ECALS辞書はVer17.3が発行されている。原則1回/年の改定作業を行いながら辞書の内容を充実させ進展している。
ECALS辞書はデータベースの意味合いが強いので、利用する際にはコンテンツ(自社開発又は事業者委託)にデータを取り込み検索等するのが一般的である。
ECALS辞書維持管理システム
ECALS辞書は現在JEITAのECセンターが中心となり改定作業を進める仕組みとなっている。
ECALS辞書推進のメリット
- ECALS提供側 …
- 客先に対して同一のデータ提供で済み、業務の効率化が図れる
- ECALS活用側 …
- 同じ検索方法により複数企業のデータを比較でき業務の効率化が図れる
ECALS辞書の構造
1. 辞書の構成
以下の7項目からなる。
部品分類辞書 | プロパティ辞書 | 分類・プロパティ関連リスト | プロパティ値リスト |
セグメント定義 | テンプレート | テンプレート管理データ |
2. クラスとプロパティの概念
- クラスは5階層あるが、L0はrootとして全部品共通、実質的にはL1からL4までの4階層について各部品が所属する名称をクラスとして作成することができる。
- 下位に位置するクラスは上位のクラスが持つプロパティと自分自身のクラスのプロパティを同時に満たさなければならない。
3. ECALS辞書ビューワ
- ECALS辞書の全体構造の理解・確認のためECALS辞書ビューワをECセンターが提供している任意のバージョンのECALS辞書ファイルを読み込むことにより、そのバージョンにおけるプロパティ一覧を確認することができ、Excel環境で利用できる
http://ec.jeita.or.jp/jp/modules/contents06/
ECALS辞書における水晶デバイス関係の現状
日本水晶デバイス工業会の技術委員会がECALS辞書維持管理組織の水晶関係のVGとして参画し活動。
- 水晶デバイスのプロパティ … ECALS辞書 ver 17.2からの改訂はなし (ECALS辞書 ver 17.3) 〈2018年〉
QIAJ技術基準とECALS辞書
QIAJでは、カタログに使用するなど最も慣例的に使用されるECALS辞書を中心としてJIS規格・IEC規格の表現も併記するかたちで、技術基準「QIAJ-B-012用語 - 水晶振動子・水晶発振器・水晶フィルタ」 をまとめた。
QIAJ技術委員会がECALSにおける水晶デバイスのVGなので、この技術基準にはECALS辞書にある項目は全て含まれる。また、この技術基準には、ECALS辞書・JIS規格・IEC規格とは多少表現が異なるが、よりわかりやすく表現したもの、または規格等では改定までの期間が長くかかるので先に修正したものなどをQIAJ内での自主ルールとして定義し追加している。
ECALS辞書の入手方法
- ■ECセンター
- ECALS標準-ECALS辞書ダウンロード(CSV形式)
http://ec.jeita.or.jp/jp/modules/contents06/ - ■QIAJ会員
- 会員ページ「水晶デバイス部分ECALS辞書QIAJ版」にEXCEL形式のファイルがあります。
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