天候にも恵まれ、2017年1月12日(11:00~12:30)に、明治記念館、末広の間において日本水晶デバイス工業会の2017年新春賀詞交歓会が開催されました。2017年の水晶デバイス需要拡大に期待を込め、89名(正会員11社22名、賛助会員22社56名、外部6名、報道5名)と多くの参加者が集い懇親を深めました。また、経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課課長 三浦章豪様より広い視野からの政策・展望及び励ましのお言葉を頂戴し、新しい年をスタートしました。
懇親会風景 | 式次第 |
代表者挨拶
竹内敏晃会長 (日本電波工業株式会社 代表取締役会長兼社長)
皆様、明けましておめでとうございます。皆様には、この新春の大変お忙しい中にご来駕賜りまして誠にありがとうございます。水晶デバイス工業会は、周波数の制御、選択、そして検出(detection) 、これらを担当しているので、ありとあらゆる周波数源であり、みんなその周波数を必要とするわけですから、IoTの広がりもあり大変な量になるはずですが、果たしてその数を一生懸命追う方がいいのか、それとももうちょっと違う付加価値のあるものをやっていかなくてはいけないのか、ということも考えていかなくてはいけない。また、先においては2020年にはレベル4の自動運転というような話も出ておりますし、今はそれも現実的な話になってくるという風に思います。その中において、この業界はどういうことを考えなければいけないのか。私は、2017年はイノベーション、これを進めていかなくてはいけないと思っております。水晶メーカーが1人でジーッと考えたら物ができるような話ではありません。設備の問題、材料の問題、ICの問題などいろいろなところを一緒に手を携えて、また皆様にご指導いただいて、そして前に向かっていくものであろうと思うわけであります。そういう意味でも、よその国と若干違う、いやひとつ違うというものを進めていきたいと思います。外から見れば同じ、でも使ってみたらしばらくたったら信頼性が違うとか、そういう風なものになっていくような日本水晶デバイス工業会にしたいと思っております。是非とも皆様、そのようなことでございますから、ご指導ご鞭撻、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
来賓挨拶
経済産業省 商務情報政策局
情報通信機器課 課長 三浦 章豪(たかとし)様
日本水晶デバイス工業会、新春賀詞交歓会にお招きいただき、どうもありがとうございます。年始にあたり、少し日本経済の話をさせていただくと、安倍内閣が発足して4年を得て、名目のGDPは44兆円、雇用で見ると110万人近くの新しい雇用が生み出され、経済が着実に回り始めてはいるという状況だと思います。他方、グローバルに目を転じると、英国のEU離脱をはじめとしてグローバル化の流れが、このままではいいのかという動きも多々見られてきているという状況でもあります。背景には中間層の2極分化、格差の拡大というものがあるというような分析もされていますが、こういう状況の中で、グローバルに自由な経済をきちっと確保していくということのために日本の果たす役割というものが益々大きくなっていると思います。いかに経済成長、そこからの分配の好循環を生み出していくことがひとつのKEYになってくると思っています。そして水晶デバイス業界に目を転じますと、背景はいろいろな機器がスマートホンに集約されていくというような流れがあり、数量ベースでみるとここしばらく減少ということが続いていたということを承知しております。しかし足元は少し伸び始めているということで、その背景にはIoTというようなことがあると思います。あらゆるものが、スマートホン+クラウドでなんでも処理をするという流れであったところが、少し風向きが変わってきているのだろうなと思っております。いろいろなものに電子機器がのり、ネットワークに繋がり、その機器から得た情報を使って社会全体、生活をどう変えていくかということに、ビジネスの勝負の場というのが移ってきているように感じております。そうした中で、水晶デバイスは、日本の水晶業界、またグローバルにも約半分というシェアを持つ価格だけで勝負するのではない非常に強い業界でございますので、是非とも新しい流れの中で求められる内政方針、法制度など、そういったものをどう実現し、今の強さというのを維持していくのかということを是非我々もご相談させていただきながら、サポートさせていただければと思っております。工業会におかれましては特に標準化をはじめとして、この業界いろいろとリードしていただいていると認識しております。本年も、いろいろ連携を取とりながらご相談させていただけきたく思います。最後になりますけれども、水晶デバイス業界の益々のご発展、そして本日お集りの皆様方のご健勝、更なるご飛躍というものを祈念して私の挨拶とさせていただきたいと思います。本日は誠におめでとうございます。ありがとうございました。
乾杯挨拶
田中秀幸 副会長代理 (株式会社大真空 専務取締役)
2017年酉年のスタートでございます。干支学で言いますと、『ていゆう』と『ひのととり』の年でございます。『ていゆう』の『てい』は1丁目、2丁目の丁ですね、その丁の横の一は陽気な勢力を表す。縦の字は対抗勢力を表す。『ゆう』という酉はいわゆる酒の字のさんずいを除いた字です。これは亀の中で麹がゆっくり発酵して、物凄くエネルギーを溜めているという象形文字のようです。『ていゆう』『ひのととり』の本年は、旧来の陽気な勢力に対して対抗勢力がでてくる。新しいエネルギーが衝突するという年のようです。そう考えますと、20日に新しいアメリカの大統領が決まる、新しい考えがはじまる。EUにしろ、アジアにしろ、非常に変化が起きてくる。このような多事多難なこの一年をどう乗り切るべきかというと、それはやはり対立、対抗だけではなく協調精神をもって対応すべきということです。我々の業界も是非そうありたいものです。ここ一年、水晶業界も中国のスマートホンのTCXOが足りないという状況に墜ちこみました。とにかくTCXOを増産してほしいと要望がある。しかし、設備投資をすれば赤字になる、これではとても設備できないということからある程度価格が戻ってまいりました。それによって、多少なりとも皆さん設備されたと思います。我々が設備すると、当然設備メーカさん、材料メーカさんも多少なりとも潤いがあったのではと考えます。伸び率が鈍化したとはいえ、やはり2017年はまずスマートホンが引っ張っていくと思います。中国の携帯電話、トップメーカと話をしますと、やはり品質のいい日本の水晶部品を使いたいということが聞こえてきます。やはり日本の品質のいい部品を使いたいと。考えてみますと年間一億台も生産している携帯電話メーカが、もし市場でクレームだすと大変なことになる。スマートホンだけで成長している会社は余計に品質にこだわらないと、安く出すだけでは本当に大変な状況になる可能性があるというのを聞きますと、日本の水晶部品メーカがやることは、品質なり差別化した新しいものを出していく、これでこそ利益があがるというようなパターンにしていく必要があると思います。そのようなことからも、業界全体が安定成長できるよう、協調精神をもってやっていきたいと思っております。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは日本水晶デバイス工業会の益々の発展とここにご列席の皆様のご健勝を祈念して乾杯したいと思います。乾杯!
中締め挨拶
若尾富士男理事 (リバーエレテック株式会社 代表取締役社長)
歓談中の中、中締めということですので一言ご挨拶申し上げます。日頃は大変お世話になっておりましてありがとうございます。
今日、会長から実績と見通しの話がございまして、何とかいい成績を残して材料メーカさんにも設備メーカさんにも安心して供給していただけるような数字を作らなきゃならんじゃないかっていうお話だという風に聞いておりました。私が若いころのこの業界は非常に華やかな繁栄したもので、QIAJの理事会も綺羅星の如くいろいろな会社の社長がおられました。時間が経過する中で理事会社が3社に減りましたが、私も竹内会長、長谷川副会長についていきながら、何としてでもこの業界が繁栄するようなことを皆で考えていかなければと思います。やはり技術的にも現状を打破するようなことを皆さんのお力を借りまして、業界全体をもうひとつ上げていくようなことが、繁栄への源になると考えておりますし、是非皆さんにはそのようなお知恵を借りながら、日本水晶デバイス工業会が、昔のような冠たる繁栄を取り戻すようにご支援いただければと思っております。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。では、ここにお集りの会員会社、QIAJの繁栄を祈念いたしまして一丁締めでお願いいたします。よ~
(日本水晶デバイス工業会 事務局)