天候にも恵まれ、2018年1月11日(11:00~12:30)に、明治記念館、末広の間において日本水晶デバイス工業会の2018年新春賀詞交歓会が開催されました。2018年の水晶デバイス需要拡大に期待を込め、85名(正会員10社24名、賛助会員22社54名、外部5名、報道2名)と多くの参加者が集い懇親を深めました。また、経済産業省 商務情報政策局 デバイス・情報家電戦略室長 田中伸彦様より政府の政策、業界に対する期待及び励ましのお言葉を頂戴し、新しい年をスタートしました。
懇親会風景 | 懇親会風景 | 式次第 |
代表者挨拶
竹内敏晃 会長 (日本電波工業株式会社 代表取締役会長兼社長)
皆様、明けましておめでとうございます。本日は新年のお忙しいところにお集まりいただきまして誠にありがとうございます。昨年、水晶デバイスは数量がやや落ちました。中国関係のスマホ用、特にサーミスタ付き水晶振動子が思ったほど伸びませんでした。一方、中国の水晶デバイスメーカも、かなりの実力を持ってきて、そういう意味で競争がまた一段と激しくなっています。今年のトレンドを考えてみますと、コンデンサとか抵抗器とか電子部品の品薄感により、計画通りお客様(メーカ)が、製品数を増やせるかは懸念材料ですが、数量はかなり伸びていくと思います。また、5Gがいよいよスタートいたします。そうしますと、いわゆる通信容量としては大幅に増えてまいりますので、これらを支える製品も非常に揃っていくことになります。今まで、5032が3225になって、ここら辺でもう十分だと、ちょっと虫眼鏡が欲しいなというようなところが2520だと。それが2016と、ここら辺になってきますと本当に技術的に難しさがでてきます。しかも位相雑音にしても、またいろいろな他の特性にしましても、かなり厳しい要求がでてきています。それに対して我々の強大なcompetitorである中国勢ができるかということですが、この辺をbreakしていくのが日本の水晶デバイス工業会のメンバではないかと思うわけであります。水晶デバイス工業会としては、スマホ、車載、IoTなどに軽薄短小、しかも高性能な製品、そしてお客様に喜んでいただける、さすが日本製だと、言っていただけるようなものにして行くのが本年だと思っております。2017年は踊り場でございました。2018年、いろいろな経済情勢を考えて伸ばしていける年ではないかと思っている次第でございます。多くの皆さまのご支援を頂戴して、私共、水晶デバイスメーカとして前に進んでいけるものと思いますので、なお一層のご指導、ご鞭撻をよろしくお願いを申し上げたいと思います。最後になりますが、本日ご参会の皆さまがたの御会社の発展、それからご出席の皆さま方のご健勝、これを祈念して簡単ではございますが新年のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。
来賓挨拶
経済産業省 商務情報政策局
デバイス・情報家電戦略室 室長 田中伸彦様
皆さま、明けましておめでとうございます。本日は水晶デバイス工業会の賀詞交歓会にお呼びいただきありがとうございます。安倍政権が5年たっておりまして、企業収益、過去市場最高水準、正社員の有効求人倍率などバブル越え、という風にも言われておりまして、経済動向としては、まさに非常に高い水準、株式市場を含めて活況を呈している状況かと思います。そういう中で、世界動向を見ますと、経済面から申し上げますと第4次産業革命、経済産業省ではこれをConnected Industriesと申し上げていますが、データを巡る競争、それからIoTとかBig DataとかAI(人工知能)、これらが新聞、ニュースなどあらゆるところで、見ない聞かない日はございません。ものづくり、サービスなど実際に使われはじめている状況です。そうした中で昨年3月には世耕経済産業大臣がドイツのCeBITの場で世界に産業界のあらゆるものが、人と人、世代、それから技術、こうしたものがつながっていくということをConnected Industriesと名付けて発信しました。我々はこれを実現するという事で、今年は税、予算、制度、政策主義を集中して、執行していきたいと考えております。また社会課題の解決というのが産業全体に大事ですので、Connected Industriesを使って解決していく、産業界のあり方としていろんな協調領域をどうやってつくっていくか、競争は非常に大事ですが、いろんな部分で協調もしていくという事も大事だと考えます。研究開発、サイバーセキュリティなどの対策の強化、ベンチャーなど新しい活力を支援していきたいと考えております。来年度になりますけれども、新しい税制改正といたしまして、賃上げ、設備投資、IoT投資に積極的に取り組む企業に対して、法人税負担を、最大20%引き下げるという、かなり大幅な減税、法人税減税を対応するというような方向で閣議決定しておりますし、中小企業につきましては、IT導入支援に500憶円、ものづくりやサービスの経営支援に1千億円を計上するというような財政支援をしていきます。業界全体でConnected Industriesを各社進めて欲しいと考えております。また、人材育成が当然重要になってくると思います。社会人の方が、サイバーセキュリティなど新しいことを働きながら勉強するというような中で、リカレント教育というのを提唱し、その為に雇用特別会計を活用し、人材育成のスクリームを創設しております。人材育成をどうやって進めるかという中で是非積極的にご活用していただければと思っております。IoTを考えますと様々な場所で、様々な空間で多くのデータが集まりますが、時間というのも、ひとつの重要なファクターになっております。そういう意味では、あらゆるデバイス、あらゆる半導体に、必ず水晶デバイスが入っているということで、非常にエッセンシャルな部分を担当していただいていると考えております。水晶デバイスの重要性という中で、信頼性などで差別化をしていくということで、国際標準化において国際提案などを工業会が中心となってだしていただいておりまして、今でも継続的に活動していただいていると聞いております。こういう取り組みの強化を中心に、まさに国際競争力を高めるため、益々、業界の活動、取り組みに期待申し上げたいと思います。昨年末、WTOの閣僚会合いわゆる三極の貿易担当大臣が集まり、レベル・プレイング・フィールドが大事だという声明をだしております。レベル・プレイング・フィールドとは、同じ舞台で競争しましょうという意味で、中国のような、我々とは少し違う形の、補助金や国内規制というような仕組みが、同じレベル・プレイング・フィールドとは言えないんじゃないかという、我々のメッセージであります。そういう意味で、国際的にも、国際標準、貿易規律、貿易投資規律など、そうした観点からも、なるべく同じ水準で競い、そして技術で勝っていくということを応援したいと思っておりますので、問題などがありましたら是非我々の方に言っていただきたいと思います。最後になりますが水晶デバイス工業会の益々のご発展、それから本日お集りの皆さまの飛躍の一年となりますことを祈念いたしまして、私の簡単な挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
乾杯挨拶
若尾富士男 副会長 (リバーエレテック株式会社 代表取締役社長)
明けましておめでとうございます。5年間、景気上昇が続いているということですけれども、当業界の収益は他の業界に比べまして、厳しい状況が続いています。ちょっと昔のデータを見ますと、会長、副会長会社は経済誌の中でもトップクラスの収益を誇っていましたが、最近は水晶業界のメーカは姿を消している状況です。どうしたら客先から可愛がってもらえるか考えますと、やはり顧客の欲望を起こすようなものを我々が考えていかないといけないと思います。今日ご出席の賛助会員会社の皆様からも、いろいろな情報なり、お考えなりを指導いただき、世の中に今までにないような新しいことを考えて商品化して市場を創出していく、それが日本水晶デバイス工業会のミッションだと思います。2012年から2014年の間に大手水晶デバイスメーカ5社が脱会しましたが、残ったメーカで、もう一度輝ける水晶デバイス工業会にしたいといつも思っております。竹内会長、長谷川副会長と、業界をもっと元気にしたいという話をしています。タイミングデバイスという市場は有望で、世界で4千億円に近い市場に拡大していますので、その中でどうやって収益を上げていくため、新しい仕掛けで、新しい収益を出そうかと考えておりますので、引き続きご支援をいただきたいと思います。ここにお集まりの御会社の隆盛と皆さまのご健康を祈念いたしまして、杯をあげたいと思います。乾杯!
中締め挨拶
長谷川宗平 副会長 (株式会社大真空 代表取締役社長)
2018年、明けましておめでとうございます。大変忙しい中、QIAJ賀詞交歓会へご参集いただきまして誠にありがとうございます。竹内会長もおっしゃったように、大発会の26年ぶりの高値という話、今も続いていますが、日経の元旦からの第一面の連載「パンゲアの扉 つながる世界」に色々な物がつながっていく、その中には我々のこの水晶プロダクトを使っていただく、そういう意味では非常に水晶業界、今は大変ですが、非常に明るい話になっていると察しました。去年からの話ですが、2017年と2018年、ゴールデンサイクルという経済学者の話がありました。それも日本とアメリカが一緒にこのゴールデンサイクルになるというのが非常に珍しいということで、ゴールデンサイクルは、短期、中期、長期、超長期ということでインフラの投資、そういうサイクルまでがピークに入ってくるので2017年、2018年、そういう意味では世の中の流れが良いというお話も聞きました。先ほどからいつもの話をせよというふうなこともリクエスト頂いておりますので、陽明学の干支学のところから引用させていただきます。今年の十干十二支は、戊戌(ぼじゅつ)つちのえ・いぬです。まず十干の戊(ぼ)ですが、これは茂(しげる)です。それが語源であって、非常に草木が盛大に茂っていくという意味です。いぬ、戌(じゅつ)この文字については、逆に切るとか、ある意味では、その草木が枯れて死んでいくというか、枯れていってしまうという意味があるらしいです。そういう意味では、これは枯れるという側面と生い茂るという側面で、生い茂るとどうしても草木が日に当たらずに、そういう意味では枯れていく、だからそれの対策を取らなきゃいけない年。それでその対策、今このゴールデンサイクル時に色々な剪定をしながら次のステージへ臨んでいくと、次の進化が待っているという事らしいです。そういう意味で、60年前のこの年に何があったかということで調べてみますと、1958年(昭和33年)は、東京神戸間に東海道本線で、特急こだまが運行いたという事もありました。また、東京タワーの完工式が行われ、テレビの受信件数者が100万を突破し、何かしら一つのステージから抜け出ていく年であったと思います。また東京通信工業がSONYに改名をされたのが、この年だということもありました。富士重工のスバル360、車社会に非常に貢献されましたが、これも60年前の年だという事があります。本当に対策を取ることによって進化出来ていく年だと、またそういう年に自分たちも、もっていきたいと思いましたので、少しご紹介をさせていただきました。それでは、中締めをさせていただきたいと思います。業界の発展と会員各社のご隆盛、ここにご参集の皆さまのご健勝を祈念して三本締めでさせていただきます。よろしくお願いいたします。それでは、よう~ …。ありがとうございました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
(日本水晶デバイス工業会 事務局)